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アサヒ・コムトップへ  「千葉県産業廃棄物不法投棄事件、日米の差を顧みる」　「産業廃棄物の不法投棄により元県議員が逮捕。投棄した産業廃棄物は10トントラックで2万5000台分に及ぶ」朝一番、コーヒーを飲みながらネットで日本のニュースを聴くのが日課となっているが、なんともショッキングな事件である。数分間のニュースである為、全容を把握するまでに至らず、あまりいい加減な事はいえないが、「何度同じような事件が起こるのだろうか」といった単純な疑問と一般の人達は、今後も起こりうる同種の不法汚染からどのように身を守ったらよいのか。朝一番から、大きな疑問にうなされてしまう。　一般の住民からの声は届く手法はあるのか？　環境省にも廃棄物・リサイクル対策部という対策室を設置しており、産業廃棄物の不法投棄に対応を要する事案について国民から直接ファックスや電子メールで受け付ける窓口を設置している。今回の事件が発覚した千葉県でも「産廃残土県民ダイヤル」というホットラインは設置されているが、上手く作動していなかったのだろうか。環境省が設置している窓口によせさられている件数は、平成16年6月から平成18年3月までの一年半で648件に及んでいる。環境省のサイトで発表されている説明によると、連絡のあった648件中、不法投棄の可能性がある、または不法投棄ではないが確認の依頼をした件数が229件、その内訳は、産廃とされる事案が106件、使用済み自動車18件、野焼き23件、廃タイヤ５件、廃家電製品13件、その他64件とある。事案件数が最も多いのが大阪府、次いで埼玉県、千葉県、愛知県、兵庫県が上位5を占めている。肝心の「対応状況」について、同じく環境省のサイトでは、「通報者名等を秘し、都道府県等に伝えた」とあり、114件の事案については、関係自治体が既に把握していた。とある。　平成17年版環境白書（環境省編）に目を向けてみた。第4節「廃棄物の適正な処理の推進」に産業廃棄物対策の説明があり、" 産業廃棄物の処理は排出事業者責任において行うことが原則であり、排出事業者責任の徹底を図っている"とある。加えて、産業廃棄物処理業の優良化推進と不適正処理事案への対応に向けた電子マニフェストの普及促進につき計画的・総合的に取り組み、監視体制の強化に向けたIT機器等の活用を掲げている。　決して充分な事象を取り上げ、細部の調査をおこなってみた訳ではないが、債権（ボンド）の言葉が出てこない。環境改善に向け、特に不法に投棄するといった利己的な破壊活動に対し、一般の人達が情報を提供でき得る、または疑問の声を投げかける窓口が策定され、環境省も積極的に不法投棄ゼロを目指した政策の努力が伺える。　これらの努力を潰すつもりはないが、「悪いこと」が世の中からなくなる事もないのも事実であろう。不法な投棄、環境規制を守らない企業、団体などは、どれだけ制度を策定しても決して無くなることはない。　では、どうするのか？　R&Dの集積度が多いシリコンバレーでは、多くの先端企業がケミカル、金属などの産業廃棄物を生成している。殆どの企業は、その処理を自社の設備を用いずに、外注処理業者へ処理を委託している。こちらの処理業者の場合、ボンドを積むことが義務付けられている。これらのポンドは、廃棄物処理場が何かしらの事象により汚染され、修復が必要となる場合、それらの修復処理に充当される。例えば、廃棄物処理業者が倒産してしまう、或いは、ある日突然姿を消してしまった。その後に残ったのは汚染された処理場だとする。この場合、当該地域にある自治体、カウンティがボンドを使用し、修復処理をおこなうといった方法である。　また、廃棄物処理業者が何かしらの事象により、事故による汚染などの修復が実現できない場合、その責務負担は廃棄物の生成者まで遡り、負担を余儀なくされる。　米スーパーファンド法しかり、環境上の汚染問題が発覚した場合、だれがどこまで責務を負うのかが法的にシステム化されており、住民が我慢するといった事はない。　今回、千葉県で発生した産業廃棄物不法投棄、すでに千葉県議ら8名が逮捕されているとある。150トンの産業廃棄物、どのように修復されていくのが注目していきたい。◆石戸 太（いしど・とおる）氏◆競泳のオーストラリア選手権は２７日、シドニーで行われ、女子１００メートル自由形でリスベス・トリケット（旧姓レントン）＝豪＝が５２秒８８の世界新をマークした。従来の記録は０６年のブリッタ・シュテフェン（独）の５３秒３０。＜無理が通れば道理ひっこむ＞――いろはカルタでこの絵札は、勇み肌の若い衆の姿を描いたものが多かった。戦後は暴走するオートバイの図柄もある◆いずれにせよ、無理押しは分別ある大人のすることではない。まして良識ある政治の世界では禁物だ。が、無理のある主張に始まった意地の張り合いのような状況が政府と野党の間で続いている◆日銀総裁人事の話。「財務省ＯＢは×。財政と金融の分離に反する」という民主党の主張はいささか単純、頑固で無理がある。出身にこだわり過ぎ、人物・資質を見ようとしない◆任命権者がベストとする人事が拒否されれば、任命権者の任命権は名ばかりでむなしい。不同意はある程度抑制的でないと、任命権がどちらにあるのか？？？になる◆元財務次官を拒否されたのに続き元大蔵次官で正面突破を図った福田首相には任命権についての思いもあったであろう。が、こちらも無理に対して無理で応じたとの評がある◆ねじれ国会で政治がねじれている。総裁空席へ、道理のひっこむような無理を見るのはうんざりだ。【ワシントン＝貞広貴志】ブッシュ米大統領は２６日、一部報道機関とのインタビューで、来月５、６の両日にロシアの保養地ソチを訪れ、プーチン露大統領と会談することを明らかにした。経済産業省は28日、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構の理事長に河野博文ＪＦＥスチール専務（62）を起用する人事を発表した。また情報処理推進機構の理事長に西垣浩司ＮＥＣ特別顧問（69）が就任する人事も発表した。いずれも4月1日付。(13:48) [2008年3月24日/日経産業新聞]